時差ボケは急性の老化
中年過ぎて若作りの化粧をしたり、派手な服装をすると「いい年をして……」と悪口をいう人がいますが、これはいうほうがまちがいです。女性はいくつになっても自分が若く美しくあるように努力すべきです。その気持ち、その努力こそが年をとらない最大の秘訣だからです。
ただここで注意する必要があるのは、見掛け年齢を若く見せるために外見にばかり注意を払ってもだめだということです。日本医科大研究グループの調査で明らかなように、見掛け年齢はその人の老化度をそのまま正直に表現している。つまり体の内面の変化が外面にあらわれているということです。
こういう考えに立つと、内面美容がより大切なことがわかります。内面美容とは体の中から美しくなるということで、たとえば肌のつややかさを保つためには外側からクリームを塗るのではなく便秘をなおすという方法をとることです。
内面美容には三つの大きなポイントがあります。それは、①食生活②生活習慣③心のもち方の三つです.この三つが正しい方向へ向いていれば『あなたは確実に年を重ねるごとに美しくなれます。なぜ内面美容が大切かについて、ぜひ覚えておいてほしいのは、人の体はある一定のリズムで動いていて、そのリズムを狂わせたり壊したときに、急速な老化や病気が起きるということです。
人間の体の中には目に見えない時計があります。その時計のことを「生物時計」といいますが、体はこの時計にもとづいて機能します。夜になると眠くなる、一定の時間がたつとお腹がすぐというのも、この時計の働きです。この時計によって体の百以上の働きが行なわれているといいます。
だから生体リズムを狂わせてしまうと、百もある体の機能が狂ってしまうのです。そのような生活を長年続けていて健康を保てるはずがありません。ところが現代人の生活はとかくこのリズムを狂わせがちです。
生体リズムの乱れがもっとも端的に出るのは海外旅行をしたときの時差ボケです。とくに東西方向に移動するときは夜と昼が狂って時差ボケに悩まされやすい。時差ボケはどういうことかといいますと実は「急性老化」なのです。ふだん守ってきた体のリズムを大きく狂わせるために起きる老化現象が時差ボケの正体です。
時差ボケは早い人で一日、回復の遅い人だと一週間くらいかかりますが、それでもそう年中経験することではないので、短期間で元に戻る。元に戻るということは若返るわけです。問題は日常生活でこの時差ボケ老化に近いことをいつもやってる人がいることです。不規則な生活をしている人は、いってみれば「慢性時差ボケ症候群」で、そのために成人病になったり、顔に年齢不相応なシワをつくったりしてしまっているのです。
つまり内面からどんどん年をとるようなことを日常的にしているわけで、それでいくら美容院へいっても、肌の手入れをしても差引勘定をすればマイナスの答しか出てきません。現代人の生活は二十山時間型になりつつあり、それでなくても生体リズムを狂わせがちです。
若いうちは多少の無理もききますが、その限界は三十歳まで。つまり成長途上にあるうちはいいが、成熟年齢に達したら、可能なかぎり規則正しい生活スタイルを心がける必要があります。
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