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一回目の青春よりうまくいく

最近は更年期を歓迎する女性も増えてきています。

「生理がなくなることは、妊娠の心配がなくなることでしよ。私、子供もちゃんと育てたし、母性は卒業してもう一度胸がキュンとなるような恋をしてみたいわ」

人生五十年時代なら、閉経期を人生の下り坂と考えて当然です。事実、むかしは多くの人がそう考え、そう考えたからそのような人生航路をたどりました。いまは女性の平均寿命が八十年の時代です。五十歳で生理がなくなったとすると、あと三十年は生きなければならないのです。

三十年もの長い年月を「私はもう女じゃなどと思って生きるのは、せっかく手に入れた第二の青春を捨ててしまうのに等しいといえませんか。

更年期は思春期に似ています。どこか不安定で希望と絶望、期待と不安が入り交じった嵐の前夜のような感情。子供から大人になる時期、誰もが通過する思春期は、現実に自分が遭遇しているときは、美しくも楽しくもなかったはずです。同じような時期が壮年期の終りにもある。それが更年期というものなのです。

思春期が過ぎれば、青春がはじまります。青春期に人は学び恋をする。そうして一人前になっていくわけですが、更年期という思春期のあとにくる第二の青春も、基本的には同じでしょう。

子供はもう独り立ちしている。暮しの面でも安定している。時間的な余裕もたっぷりある。カルチャー教室へ通うことも、テニス、ゴルフをはじめることもできる。青春の一時期、学校へ行くこと以外はまったく自由だったように、いやそれ以上に自由に毎日を楽しく過ごせるのが、更年期を上手に乗り越えた人たちなのです。

第一の青春は未熟ゆえに失敗したり謡歌しそこなったりすることが多い。それに時間的にいって短過ぎます。「ああすればよかった」「こうすれば別の人生があったのではないか」過ぎ去った過去を思い出すとホp苦いことが多いもの。そしてみなこう思います。

「もう一度青春時代をやり直せたら……」
その青春がもう一度もどってくるのです。更年期というのは、その第二の青春、やりなお
すことのできる素晴らしい青春の扉をあける鍵なのです。
最近のテレビドラマは、老人を扱ったものが増えています。とくに注目すべきことは、老
人の恋愛や性をテーマにしていることです。

「老人の恋愛、老人のセックスの話なんていやらしい」
こういう考え方はもう古いといっていいでしょう。老年学の権威A・カムフォートは老人のセックスに関して、とても興味深い次のような指摘をしています。

「性能力というものは、多くの人にとって、人間としての資格を失わないために、非常に大切なものです。性能力は発揮していれば、男女とも一生持続します。それがふつうであるということを理解すべきでしょう。生理がなくなることは、性欲の減退や性行為の終りを意味するのではありません。もはや避妊に悩まされずにすむという解放感と結びついて、セックスの楽しみが実質的に大きくなっていくのです」

いままで老人は枯れていくと思われていたのは、長生き老人が少なかったことと、老人たちの活動や発言が封じられていたからで、イギリスの生物統計学者の研究によれば「七十歳から七十九歳までの男性の四パーセントは三日おきに性行為があり九パーセントは週一回ある」ということです。わが国でも最近はこの方面の研究が進み、八十歳代で男女とも壮年期とそう大きく変わらない性生活が営まれていることが明らかになっています。

八十歳以上の五人に二人は一年に少なくとも十回以上の性行為があるという報告もあります。こうしたデータからわかることは、高齢者といっても、恋愛や性行為で少しも区別する必要はないということです。

pp.42-45.