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魅力の第一条件は若さではない

パリモード界の女王ココ・シャネルは、八十七歳で死ぬまで仕事と恋に生きました。その彼女の女性観は「愛されない女は、女じゃないわ。たとえ何歳でもね」というものでした。

事実、彼女は当時の一流の芸術家たちと華麗な恋をしています。

美貌のハリウッド女性エリザベス・テーラーもいまだに恋と結婚を繰り返しています。彼女たちは美しいから恋をするのではありません。いくつになっても恋をするから美しいのです。

よりよく年をとるということは「年とともにどれだけ魅力的になれるか」ということです。若いときは「若さ」が「美しさ」をつくりますが、中年以後は「魅力」が美しさをつくります。

「若さ」「美しさ」「魅力」とならべたとき、はっきりしたモノサシがあるのは「若さ」だけです。しかし、いくら若くても魅力がなければ評価されません。逆に魅力があれば、若さに関係なく人から賞賛され評価されます。

顔に深くきざまれたシワや白くなった髪が、その人の魅力になることもあります。こういう魅力は若い人には絶対に出せません。多くの人は年をとることをきらいますが、その理由は「年をとれば美しさが失われる」と思っているからでしょう。

年をとっても美しさは失われません。失われるのはただ一つ「若さ」だけです。若さが失われれば、若さを土台にした美しさは失われるでしょう。でも美しさは若さばかりを土台にしているわけではありません。

年とともに積み重ねられていく年輪を土台にした美しさというものもあるのです。失われていく若さのかわりに、それらの魅力を積み重ねていけば、若い頃よりももっと魅力にとんだ美しさを獲得できるとわたしは考えます。

少女の頃のエリザベス・テーラーの映画を観ると、その初々しい美しさに圧倒されますが、一方でそれからずっとあとの女盛りの彼女を見ると、少女のころにはなかった美しさを感じます。そして中年以後のいまの年齢に近い時代の映画を観ると、輝くばかりの華蝿な美しさにまた圧倒されます。私がいちばん魅力を感じるのは、年をとってからの彼女のほうです。

この例からわかるのは、一口に美しさといっても、女性の美しさを形作るものは、年齢によってちがってくるということです。絶世の美女エリザベス・テーラーも、少女時代から現在にいたる美しさ、その魅力は同じではないのです。

いまの彼女には若さはありません。でも失った若さを補ってあまりある何かがあるのです。その何かとは年をとらなければ得ることのできない年輪のようなものだと思います。エリザベス・テーラーは美貌に生まれついて、その遺産で美しいのではなく、年ごとに年齢相応の魅力を身につけて輝いているのです。同じことは誰にでもできることではないでしょうか。

pp.48-50.