TOP > 介護クレーム対応のマニュアル > ご利用者・ご利用者家族に生まれる2つのクレーム心理

ご利用者・ご利用者家族に生まれる2つのクレーム心理

介護クレーム対応時にスタッフが心がけなければならないことは何よりも「利用者・利用者家族の立場に立って考える」ことです。

介護クレーム対策、クレーマー対応の真髄は利用者・利用者家族の心を理解していくことなのです。

何よりも最初に考えなければならないことは「クレームを下さる利用者・利用者家族の心理はどのようなものか」を推測する想像力です。

多くの場合は、あなたの介護事業所の欠点を指摘するものです。「接客がなっていない」「商品に不満がある」などかなり具体的な内容でしょう。そして、このようなケースでは多くの利用者・利用者家族は「だからこうしてほしい」という解決の提案はしてこないのが普通です。

利用者・利用者家族はまず、自分が不満に思っていることをあなたの事業所に伝えたいのです。

この時、クレーマー・クレームの対応で心がける「理性的な対応」をしてしまっては、マイナスの効果が起きてしまいます。

はじめから理詰めで「でしたら、こうしてください」というような対応は利用者・利用者家族の心を逆なでし、利用者・利用者家族の事業所への印象をさらに悪化させますし、負のスパイラルに陥ってしまう可能性があるのです。話はこじれ、予想もしなかった大事になってしまうのです。

利用者・利用者家族の心理を理解し、利用者・利用者家族の様子を見ながら、それにあわせた対応をしていくためには、この場合どうしたらいいのでしょう。

クレームを下さるとき、お客様の心理には2つの大きな心理が並存しています。一つは「感情的心理」で、もう一つは「理性的心理」です。

感情的心理とは、介護事業所に対して、自分の不満や損失を理解してもらい、謝罪してもらいたい、反省してもらいたいということです。介護事業所のサービスに不満があり、事業所に謝罪してもらいたいというきわめて感情的な心理なのです。もっと厳しく、懲罰的に考えている利用者・利用者家族もいるかもしれません。

理性的心理とは、謝罪や反省を要求するというよりも、物理的・経済的に利用者・利用者家族の不満・損失を弁償するよう要求するものです。この利用者・利用者家族の心理は合理的で、解決策が筋道立てて考えられている側面が強いです。問題は弁償の規模(金額など)に絞られます。

利用者・利用者家族はこの2つの心理が混ざった、非常に複雑な心理状態でクレームを下さっているので、利用者・利用者家族本人も混乱しています。理性的な心理もあり、弁償してくれるようにお願いしたいが、感情的な心理もある。「お金の問題じゃないのよ!誠意の問題よ!」という思いもあるのです。利用者・利用者家族も混乱しているご自身の心の中を知っているのに、スタッフ側で一方的に理性的に片付けようとすると、大きな対立が起きるのです。